大王製紙vs北越紀州、総会後も対立は深刻 業界再編が迷走、大王社長への賛成率は71%

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北越紀州製紙の岸本社長は、三菱製紙との紙販売子会社同士の統合案の破談の理由として、「大王製紙が介入した」ことを明言した

株主総会という舞台を頂点に、あたかも2年前の対立劇を再現させたかのような、大王と北越紀州。両社の間では、北越紀州が大王に出資した直後の2012年11月に提携された、総合技術提携の基本契約に基づいた現場レベルでの日常的な交流がある。また、大王の社外取締役には、北越紀州の執行役員経営企画部長である近藤保之氏が2013年6月に就任するなど、一定の人的関係も保持はされている。

膠着状態が打開されるとしたら、北越紀州と大王の資本関係見直しといった形で行われるのか。あるいは、一度破談となった北越紀州と三菱製紙の本体も含めた統合案の再浮上、という形でなされるのか。北越紀州は販社統合案の破談を受けて、この間にかかったデューデリジェンス(資産査定)や弁護士の費用などを、損害賠償として三菱側に支払うよう請求している。が、そうした“けじめ”さえ付けるならば、「従来よりハードルは高くなるが、本体同士も含めた統合案を再検討する余地はある」(北越紀州関係者)としている。

ただし、総会に向かって過熱化した大王と北越紀州の対立関係は、2年前よりもずっと深刻である。製紙業界の第三極形成に向けた機運が再び盛り上がるまでには今しばらくの時間がかかりそうだ。

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