大王製紙vs北越紀州、総会後も対立は深刻 業界再編が迷走、大王社長への賛成率は71%
対立の火種は目先の紙販社統合案の破談問題にとどまらない。
「佐光社長から頼まれたから、井川家の持つ大王株21%を買えた。頼まれなければ買えるわけがない」(北越紀州の岸本社長)、「岸本氏が、大王サイドから『株を持ってくれ』と言ったという話が出たように聞いているが、そういった事実はない」(大王の佐光社長)――。そもそも3年前、北越紀州が大王の株を創業家から買い取ることになった経緯についても、ここに来て、両社長の主張には食い違いが生じている。
さらに、両社の関係が完全に膠着状態に陥る中、今後の両社の資本関係の行方についても、両社の思惑は真っ向から衝突している。「大王株売却については、まったく考えていない」(岸本社長)。「(北越紀州が大王株を売ると言ったら)それはもちろん買う」(佐光社長)――。
北越紀州の総会でも再び対立劇が
大王の総会が大きな注目を集めた一方で、同じ6月26日、新潟県長岡市内のホテルで開かれた北越紀州の総会でも、小さな”波乱”があった。北越紀州では大王との一件とは無関係ながら、連結子会社である北越トレイディングの元総務部長が過去15年間にわたって総額24億円もの巨額着服を行い、過年度決算訂正を余儀なくされる問題が発覚していた。
これに対し、かつて大王の関連会社だった川崎紙運輸の社長が、2%を保有する大株主として、北越紀州の総会で質疑応答に登壇。着服事件をやり玉に岸本社長の責任を追及し、社長選任に反対する旨を主張したという。
実は、川崎紙運輸の社長は2013年6月の北越紀州の総会でも、川崎紙運輸による北越紀州株買い集めに絡んだ会社側の対応について、発言を求めた経緯があった。結果として、今年の北越紀州の総会では、岸本社長選任への賛成率は93.8%。2年前の賛成率98.6%から、5ポイント弱低下したものの、9割の大台はキープした。
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