夏日は昔より増えた?東大生的「数字の見方」要諦 ぼんやりとした物事の「理由」を明確にする

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夏日や冬日という言葉は、気象庁がデータの整理や報道のために使用している言葉であり、以下のように定義されています。

夏日:最高気温が25度以上の日
真夏日:最高気温が30度以上の日
猛暑日:最高気温が35度以上の日
冬日:最低気温が0度未満の日
真冬日:最高気温が0度未満の日

夏日や真夏日などが「最高気温」を基準としているのに対し、冬日は「最低気温」を基準にしているところに特徴があります。冬場に重要なのは日中の気温よりも、「朝晩何度まで冷え込むか」だと考える人が多いことが背景にあるでしょう。

また、これは細かな点ですが、「以上」はその数を含み、「未満」はその数を含まないため、最高気温が25.0度の日は夏日になりますが、最低気温が0度の日は冬日にはなりません。

あらためて冬日の日数を見てみると、1904~1913年平均で62.8日、2004~2013年平均で3.1日ですから、100年前と比べて激減しており、2004年、2007年、2009年は0日でした。

東京では最低気温が氷点下になるのが珍しくなった

これをもう少し分析してみましょう。冬日の日数は1904~1913年平均で約60日。夏の時期は冬日になる可能性がほとんどないと考えると、冬日になりうるのは東京であれば12~2月、遅くとも3月頭くらいまでだと考えられます。

12~2月はうるう年でない場合ちょうど90日間であり、そのうちの60日ということは、3日に2日は最低気温が氷点下になっていた、ということ。つまり、100年前の東京は、冬の時期は最低気温が氷点下になるのは普通でした。それが近年は、年にたったの数日です。東京では、最低気温が氷点下になるのが珍しい事象になっているのです。

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