「肉も野菜も安い!」ドラッグストア絶好調の理由 物価高で高まる存在感、買収で生鮮食品も導入

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「ポイントカードやキャッシュレス決済がない分、価格を安くしています」。店内に掲示されている通り、コスモスは基本、現金払いだ。「毎日安売り」を強固なものにするためにローコスト経営を徹底している。

特売もポイントカードもないが、いつ来ても安い価格で買い物ができる店作りだ。セール時に値札を切り替える手間もなく、人件費も抑制できる。

クスリのアオキは生鮮食品で勝負

「野菜も毎日安い!!」――。精肉や野菜を強調するチラシが置かれていたのは、北陸地盤のクスリのアオキHDの店舗。店頭にはスーパーさながら、多くの生鮮食品が並んでいる。

ドラッグストアへの生鮮食品の導入は難しいとされてきた。鮮度管理等のノウハウに乏しく、廃棄が大量に発生するリスクがあるからだ。実際、多くのドラッグストアは、まだ生鮮食品が充実しているとは言えない。

クスリのアオキは、この課題を買収で解決しようとしている。2021年5月期以降、地場スーパーを軸に12回のM&Aを実行。買収先の生鮮食品のノウハウを社内で共有し、各店舗で鮮度管理のレベルを向上させた。

さらに地元の市場に精通した人材も確保するなど、高品質な生鮮食品の流通網も整えた。精力的に既存店の改装を進め、2023年11月時点で総店舗数の85%で精肉と青果が販売されている。

クスリのアオキが買収をしてまで生鮮食品を強化する背景には、業界の競争激化がある。主戦場の郊外で人口減少が進み、1店舗あたりの商圏人口は縮小傾向。その中でも出店は続き、店舗の採算性低下に悩まされている。

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