解雇組も動揺、テスラ「充電器部門閉鎖」の意味 他メーカーとの契約は計画通りに進むのか

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30日の午後、テスラ株は約5%安で引けたが、25日から13%ほど上昇している。マスクはここ数週間、自動車販売台数の減少にもかかわらず、テスラには人工知能(AI)と自律走行技術に基づく製品による巨大な成長の可能性があると述べている。

充電ネットワークは、テスラがEV市場で圧倒的な地位を占めるための重要な要素とみなされている。2012年に同社初のセダンであるモデルSの販売を開始した当時、急速充電器はほとんどなかったが、テスラはその後、アメリカ内に2600基以上の急速充電器の自社ネットワークを構築した。多くの地域で唯一の充電器となっている。

「あなたのおかげでEVの普及が可能になった」と、充電部門のもう1人のシニアマネジャー、ジョージ・バハデューは、同じく職を失った他のチームメンバーへのメッセージとしてLinkedInで述べた。

解雇が残りの従業員の士気を低下させる懸念

他のメーカーにネットワークの利用を許可することで、テスラは潜在的に有利な経常収入源を開拓した。しかしマスクは、テスラ車を所有する特典の1つであった、ネットワークへの独占的アクセス権を明け渡してしまったことになる。

テスラは、充電ネットワーク構築のために連邦政府から資金援助を受けている。ヒョンデやフォードといった他メーカーがテスラの市場シェアを削っていく中、マスクは、ライバルの自動車販売を助けることになる充電ステーションをこれ以上多く建設することはテスラの利益にならないと判断したのかもしれない。

レイオフ後、苦渋の表情を浮かべる従業員もおり、突然の解雇がまだ会社に残っている従業員の士気を低下させる懸念が高まっている。

「もし1カ月前にテスラが10年以上の経験を持ち、今日の地位を築くのに貢献した従業員に対して、夜中に『従業員各位』というEメールだけで通知するような会社だということがあれば」と、充電部門の元社員であるレイン・チャップリンはLinkedInに書き込んだ。「そんなことありえない!と言ってたと思う」。

(執筆:Jack Ewing)

(C)2024 The New York Times

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