パレスチナ国家の国連加盟は実現するか

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


ところがアラファト議長は受諾しなかった。その後、3者の失ったものは大きかった。クリントン氏はノーベル平和賞を逃し、バラク氏は政治的に失脚、アラファト氏は米国、イスラエル、それにエジプトなどアラブ穏健国により、中東和平の交渉相手の地位から降ろされる。

さらにイスラエルは、ガザ地区からは撤退するが、67年の第3次中東戦争で手に入れたヨルダン川西岸には入植を継続する強硬路線に転換した。ワリード氏は「イスラエルは西岸に750キロメートルもの長さの壁やフェンスを造って入植地を囲った」と非難する。その結果、パレスチナ国家樹立はより困難なものになった。

大きいイスラエルとの隔たり

現在、パレスチナ自治政府は、パレスチナ国家樹立について次のような前提条件を表明している。

ワリード氏によれば、

(1)領域は67年の第3次中東戦争以前の49年の停戦ラインとする

(2)東エルサレム全域を首都とする

(3)水利権を保障する

(4)パレスチナ難民のイスラエル領内およびパレスチナ国家への帰還権を認める
の4点である。

交渉では、まず最大限の要求を出して、交渉過程でお互いに妥協していくのが一般的だが、どの項目もそのままではイスラエルにとって受諾できないハードルの高いものになっている。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事