セコムと住生活グループが業務提携、一般家庭の「困りごと」の解決窓口を共同で運営へ
セコムと住生活グループ<5938>は8月1日、業務提携を発表した。一般家庭向けの安全・安心確保と住環境向上のために、相互のノウハウを融合した新サービス・商品を提供することが目的。
提携の第1弾としては、(1)暮らしや住生活に関するさまざまな困りごとや相談にワンスポットで対応する「トータルライフパートナー(TLP)」サービスの共同立ち上げ、(2)セコムが年末に販売開始する新型ホームセキュリティサービスに設けられた企業向け「マイページ」(商品等の情報提供ツール)に住生活が第1号でエントリーする、(3)新築の住宅建材に最初から警備用センサーを組み入れるなど、共同で商品開発を行う、という3点を掲げている。
このうち、(1)については、セコムと住生活グループが、TLPセンターと呼ぶ顧客対応のためのコールセンターを共同で運営し、そこを通じて顧客の生活上の悩みや相談に答えるイメージ。メニューの例としては、家庭の安全対策、家事支援、医療・介護サービス、自宅の修繕・メンテナンス、PCサポートなどを想定。どのような事業モデルとなるかは現時点では明かになっていないが、「数年後に200億~300億円の事業規模を目指したい」(セコム・前田修司社長)という。
セコムと住生活グループといえば、それぞれ企業・事業買収による企業拡大に積極的で、防災分野ではセコムが業界首位の能美防災<6744>を、住生活が同3位のニッタン(現LIXILニッタン)を系列化するなど、これまでは競合する部分が目立っていたことから、今回の提携発表は業界内ではやや意外感を持って受け止められているもようだ。
今回の提携は「トップどうしの対話から自然に具体化した」(住生活グループ・筒井高志取締役執行役副社長)もので、半年くらい前から協議を始め、3月の震災後に弾みがついたという。「両社の考え方にはかなり重なるところがある。過去のしがらみには一切とらわれず、あらゆる可能性を追求したい」(同)。
両社では、9月末までにTLPの詳細な事業計画をまとめる計画。資本提携については現時点では白紙としている。
(撮影:尾形文繁 =東洋経済オンライン)
■写真(左から):前田修司・セコム社長、藤森義明・住生活グループ社長、筒井高志同副社長
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