新型「CBR650R」ホンダE-クラッチが革新的な訳 クラッチ操作不要、世界初のMT機構のメリット

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2024モデルCBR650R(ホンダE-クラッチ搭載車)のエンジン
2024年モデルCBR650R(ホンダE-クラッチ搭載車)のエンジン(筆者撮影)

2019年に登場したCBR650Rは、648cc・水冷4ストロークDOHC直列4気筒エンジンを搭載するフルカウルのロードスポーツモデルだ。

ホンダのスーパースポーツ「CBR1000RR-Rファイヤーブレード」
ホンダのスーパースポーツ「CBR1000RR-Rファイヤーブレード」(写真:本田技研工業)

一般的に、大型バイクのフルカウルモデルといえば、「スーパースポーツ」というジャンルが有名。世界最高峰の2輪車レース「MotoGP」などに参戦するレーシングマシンのテクノロジーを投入した高性能なモデル群だ。ホンダ車でいえば、1000ccの「CBR1000RR-Rファイヤーブレード」、600ccの「CBR600RR」などが該当する。いずれも、サーキット走行にも対応する高い動力性能を持つことが特徴。スポーツバイク好きであれば、多くのライダーが憧れるほどの高揚感ある走りが魅力だが、自在に操るには一定レベルのスキルも必要で、初心者などには比較的ハードルの高い印象もある。

一方、CBR650Rは、車体やエンジンの味付けを、幅広いスキルや体格のライダーでも扱いやすいように設定していることが特徴だ。最高出力70kW(95PS)、最大トルク63N・m(6.4kgf-m)を発揮するエンジンは、低回転域からスムーズな出力やトルクを発生する特性を実現。しかも高回転域まで伸びやかに吹け上がる、直列4気筒らしい回転フィーリングも堪能できる。また、大型バイクとしてはコンパクトな車体により、街乗りから高速道路、ワインディングまで、さまざまなシーンで軽快な走りを楽しめることも魅力だ。

扱いきれる楽しさが魅力のCBR650R

筆者の愛車である2020年式のCBR650R
筆者の愛車である2020年式のCBR650R(筆者撮影)

前述のとおり、実際に筆者も2020年式の初期型に乗っているが、フルカウルモデルとしては前傾姿勢のあまりきつくないポジションにより、長距離を走るツーリングなどでも疲労度が少ない。また、街乗りの細い路地などでは、意外に小まわりも利く。しかも、ワインディングやサーキットのスポーツ走行などでは、心地よいエンジンサウンドや、意のままに操れる高い旋回性能なども味わえる。もちろん、最高出力200PSを超える1000ccのスーパースポーツなどのような「圧倒的な速さ」はない。だが、バイク歴40年以上の筆者でも、ストレスをあまり感じないし、「扱いきれる」パワー感は、自らがマシンを操っている感覚を堪能できて逆に楽しい。

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