名古屋土産「小倉トーストラングドシャ」なぜ人気 「ゆかり」「赤福餅」に続き、3位にランクイン
対応してくださったのは、支配人の小村祐二さん。支配人とは何とも変わった肩書だが、販売会社の責任者を意味するという。
「弊社は鳥取県米子市に本社がある寿スピリッツの名古屋エリアにおける販売会社として、1989年に設立されました。もともと寿スピリッツは温泉旅館を訪れるお客様向けのスイーツのギフトを作っていました。旅館へ来て最初に口にするのは部屋に用意されたお菓子であり、それが美味しかったらお土産に買ってもらえますし、旅館の利益にも繋がるわけです」(小村さん)
東海寿が最初に手がけた商品は「金鯱(きんしゃち)物語」というお菓子。商品名こそ名古屋をイメージさせるものの、中身はというと、全国の観光地でよく見かけるバニラとチョコレートのクリームをサンドしたゴーフルだったという。
考えてみれば、当時はまだ「名古屋めし」という言葉もなく、豆味噌やたまり醤油を多用した名古屋の食文化がキワモノ的に捉えられていた時代である。ゆえにパッケージだけ名古屋らしいお土産物が主流だったのである。
2002年になり、名古屋めしのブームが起きると、それに合わせるように新たに「手羽先せんべい」を開発した。
「当時の担当者が名古屋の居酒屋で食べた手羽先の唐揚げの味が忘れられず、店主に頼み込んでわけてもらったタレの味がベースとなっています。発売から22年が経った今でもよく売れています」(小村さん)
当時はマイナーだった小倉トーストに着目
小倉トーストラングドシャの開発に着手したのはもう少し後の2010年。当時は「台湾まぜそば」をきっかけに第2次名古屋めしブームが巻き起こっていた。とはいえ、人気を集めていたのは、やはり飲食店であり、お土産物、とくにお菓子に関してはまだノータッチの状態だった。筆者も駅弁を取材する機会はあっても、お土産物はまったくなかった。
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