「景気回復の実感」ないのに株価が上がる納得理由 株価は再び上昇トレンドに向かっていくか
また「実質」と「名目」の違いについて言えば、物価の影響を除く前の名目GDPは直近まで5四半期連続でプラス成長となっています。日経平均株価の計算には物価の影響を除くことはしないので、実質よりも、連続でプラス成長してきた名目との関係が強くなります。
名目GDPと東証プライムの時価総額の推移
下図は名目GDPと東証プライムの時価総額の推移を並べたものです。時価総額は株価×発行済み株式数をベースに算出されるものなので、株式の市場で評価された価値の合算値を示すものです。
グラフの推移から名目GDPと東証プライム市場の時価総額がおおむね連動していることがわかります。
ところでいま一度、GDPについて考えてみましょう。GDPは日本国内で生産した価値から材料などの費用を除いた金額です。四半期ベースのGDPは3カ月間の生産合計になりますが、ここでは内閣府が発表している12カ月(年率)の換算値を使っています。
実は、株式運用に関する業界では、歴史的にGDPを時価総額と比較して見るケースが多いです。1年間の生産総額(GDP)が、市場での評価総額(時価総額)と関係が深いとする考え方です。生産総額が少なければ、生産の多くの部分を担う企業の価値(時価総額)も下がるし、逆にGDPが増えれば時価総額も上がるというものです。
これが、上図の名目GDPと東証プライム市場の時価総額が連動する背景にあります。
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