「女子アナいじり」?フジ久々の特番は時代錯誤か 4年ぶり「さんまの推しアナGP」で考えた

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その主な内容は、女性アナウンサーがとっておきのエピソードや特技を披露するほか、クイズ・歌・料理・スポーツなどで対決したり、ドッキリを仕掛けられたりなど、ほぼタレントと同様の企画。5年前に明石家さんまさんがMCを務めるようになってからは、アナウンサー版の「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)というムードで、1人ひとりの個性を引き出すようなプレゼン型のトーク番組になった感があります。

アナウンサー特番の復活が発表されたとき、ネット上に「フジテレビはまだこんなことをしているのか」という批判の声をいくつか見かけました。確かにジェンダーやルッキズムなどの問題が叫ばれ、特にフェミニズムに関しては連日ネット上でさまざまなニュースが採り上げられ、論争が起きているだけに、1990年代から続くフジテレビの制作姿勢に疑問を抱く人がいても不思議ではないでしょう。

しかし、アナウンサー本人、制作サイド、世間の人々などの変化を踏まえて考えていくと、単に「時代錯誤」とは言い切れない面が見えてきます。

令和目前にジェンダー問題をクリア

まず誤解のないように書いておきたいのは、2019年・2020年の「さんまのFNSアナウンサー全国一斉点検」と今回の「FNS明石家さんまの推しアナGP」は、男女のアナウンサーをほぼ平等に扱っていること。

それまで放送されていた1990~2001年の「女子アナ新年会(大宴会)」シリーズ、2002~2008年の「草彅・おすぎとピーコの女子アナ」、2009~2013年の「草彅剛の女子アナスペシャル」は“女子アナ”を前面に打ち出したものでしたが、さんまさんがMCになった2019年2月の時点で、ある程度ジェンダーの問題は解消されていました。

ルッキズムに関しても同様で、かつては「美人女子アナ」と言われるメンバーを並べて競わせたり、女性タレントと料理などで競わせたりなど、外見や「女性らしい」と言われることをフィーチャーする演出が見られましたが、近年では1人ひとりの個性を引き出すようなものに変わっています。

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