「女子アナいじり」?フジ久々の特番は時代錯誤か 4年ぶり「さんまの推しアナGP」で考えた

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「フジテレビはまだこんなことをしているのか」という声をあげた人は、特番を見ていないのか。それとも、かつてのイメージが強すぎるからなのか、このような変化に気づいていないのでしょう。アナウンサーの中にはバラエティの現場をよく知っているからこそ、盛り上げようとして空回りしたり、悪目立ちしたりする人もいますが、さんまさんの話術もあって「親しみが持てた」などのポジティブな声があがるようになりました。

視聴者層も以前のような男性メインとは言い切れず、女性層やファミリー層などを含めた幅広いものになりましたし、「年に1度、ふだん情報番組やバラエティで見ているアナウンサーの意外な一面を知る特番」というニュアンスで放送されているのです。

「タレント気取り」が許されぬ状況

それでもアナウンサーがバラエティ出演すると、必ずと言っていいほど、「タレント気取り」「会社員のクセに勘違いもはなはだしい」「そんな時間があるならアナウンスの技術を磨け」などの厳しい声があがります。

しかし、これらの見方も主に1990年代から2000年代にかけての“女子アナブーム”のインパクトやイメージを引きずっているからではないでしょうか。前述したようにフジテレビのアナウンサー特番は、2013年1月の「草彅剛の女子アナスペシャル2013」から2019年2月の「さんまのFNSアナウンサー全国一斉点検」まで6年間放送されませんでした。

当時は録画機器の発達に加えてネットコンテンツが浸透して、各番組の視聴率は軒並みダウン。タレントと同等レベルの人気を持つスターアナウンサーが誕生しづらくなり、年末恒例の「好きなアナウンサーランキング」は20代の若手より30代以上の中堅・ベテランが上位を占めるようになりました。「タレント気取り」と叩かれがちな若手アナウンサーたちが勘違いできるような状況ではなかったのです。

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