打倒アクセンチュア!伊藤忠×ボスコンの新戦略 悲願の戦略コンサルと合弁「ピースがそろった」

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実は伊藤忠とBCGは1年前から案件獲得に共同で乗り出し、すでに自動車メーカーのシステム更新案件をはじめ、金融機関のシステムクラウド化などの案件を獲得している。

BCGの桜井氏は、「われわれはM&Aや組織戦略など、必ずしもITにひも付かないコンサルの経験が豊富。ITにつなげることが前提のアクセンチュアとは業態の違いもあり、競合とは考えていない」と話す。I&Bではアクセンチュアとは異なる顧客層の開拓が進む可能性もある。

顧客目線でアクセンチュアに対抗

では、I&Bのサービスにはどのような特長があるのか。キーワードは、「テーラーメイド」と「アン・バンドル」だ。

「これまでもBCGとはさまざまな案件で付き合いも長いが、パッケージ化された教科書的なものはいっさい出てこない。I&Bのサービスも顧客目線にこだわったテーラーメイドになる」(伊藤忠の関川潔情報産業ビジネス部長)

「アン・バンドル」とは、特定のベンダーを押し付けないということだ。日本のIT業界ではハードウェア、ソフトウェアの選定から保守サービスまで、元請け企業がすべてをパッケージ化して提供することが多い。

これに対して、伊藤忠は「われわれがここを使うと儲かるからという理由でベンダーを特定してソリューションパッケージを押し付けるようなことはしない。お客さんが一番良いと思うサービスをわれわれのグループから選んでもらってもいいし、グループ外から選んでもらってもいい」(関川部長)ということだ。

テーラーメイドにしてもアン・バンドルにしても、要は伊藤忠が得意とする「マーケットイン」の発想だ。顧客目線にこだわったデジタル企業群は、アクセンチュアの牙城を切り崩すことができるだろうか。

森 創一郎 東洋経済 記者

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もり そういちろう / Soichiro Mori

1972年東京生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科修了。出版社、雑誌社、フリー記者を経て2006年から北海道放送記者。2020年7月から東洋経済記者。

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