相手との会話がキャッチボールのようにうまくいっている。相手の話を良く聞き、話題も共通のもので、お互いがよく理解し、バランスの取れた状態。
話していて、だんだんと気持ちよくなり、ついつい、自分の話を長々としていたりする。相手の興味が離れていくのに気づかない状態。
相手の関心が離れていることに気づき、それを取り戻そうと、さらにしゃべり続けてしまう泥沼状態。
この③の状態、「よくわかる」、という人も多いだろう。リカバーしようとして、さらに、迷走してしまうのだ。
合コンなどでもたまに登場する「『聞いて、聞いて』男、もしくは女」。自己アピールをしようとするあまり、ひたすらしゃべり続けて、周りがドン引きしてしまうパターンだ。
一方、「よく聞く男」「よく聞く女」はもてる。カラオケで、上手に合いの手を入れたり、手拍子を入れたりして、歌い手をいい気分にさせる盛り上げ係のようなものだ。自分にうまくスポットライトを当ててくれ、主人公に仕立て上げてくれる人を悪く思う人はいない。
前回、前々回と、「エゴサスペンション」「80:20の法則」など、よりよい聞き手になる方法について触れたが、今回も3つの黄金律をご紹介したい。
よりより聞き手になる3つの黄金律
① 質問をする
アメリカの教育の中で、日本との大きな違いは、「正解」が与えられないことではないかと感じる。日本であれば、年号や歴史的事実、方程式などの「正解」が教師からまず与えられ、それを覚えることが教育とされる。一方、アメリカでは、教師は「答え」を与えるのではなく、常に「質問」をする。
筆者の通ったアクティングスクール、大学院、セミナーでも、教師は生徒に対し、さまざまな質問を投げかけ、それに対し、生徒は思い思いに自分の「答え」をぶつける。そうした「禅問答」のようなやりとりを何度も何度も繰り返していく中で、生徒は自分なりに納得する答えを見つけ出していくのだ。
日本では、たとえば、部下と上司の会話では、上司は部下に自分の「答え」を押し付けようとすることが多い気がする。
「こうするべき」といったアドバイスは時に役立つが、実は答えは自分の中にある場合も多い。上司の適切な質問によって、部下が自分の中にある考えを整理し、自分なりに正解を導きだすこともできる。
相手の立場にたって、気づきを与えられるような質問をする――。「質問力」はコミュニケーションリーダーの必須スキルといっていい。
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