日本の選択「年収の壁の廃止」か「移民に参政権」か 「扶養控除」をなくし「子ども支援」を徹底すべき

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一方で、現役世代(生産年齢人口)が激減してしまっています。結果として、生産年齢人口1人当たりの社会保障負担は1990年の約55万円から、2023年には約181万円まで増えています。日本の税負担が次第に重くなっている最大の原因です。

社会保障の負担は1990年度にはGDPに対して約10.2%でしたが、2023年度には、約23.5%に相当する負担がGDPから吸い上げられています。経済に対して、猛烈な負担になっているのです。

この負担を考えると、持続性がない社会保障制度を断念するか、経済を成長させるしかありません。

経済成長を支える2つのエンジン

経済は、人口増加とイノベーションによる賃上げの2つの要因がエンジンとなって成長します。歴史的には、この2つの要因が経済成長に寄与する割合は、およそ半分ずつでした。

しかし、日本ではすでに人口が減少するフェーズに入ってしまっているので、経済成長の要因の1つである人口増加要因がマイナスになってしまっています。これは経済成長の大きな足かせです。

GDPは「人口×労働参加率×労働生産性」という数式で表せます。

つまり国の経済は、人口×労働参加率という量で成長するか、イノベーションという質で成長するか、そのいずれかしかないということです(もちろん両方ともプラスなら、大きな成長につながります)。

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