「職業差別発言」川勝知事会見を心理分析家が解説 「自分は問題発言をしていない」と思っている表情とは?

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釈明会見冒頭、記者に問題とされる発言の真意を質問されたとき、知事は、言葉では「差別意識は皆無」と言いながら、軽く口角が引き上げられる幸福表情を生じさせます。

なぜ幸福なのかわかりません。しかし、誤解を招くような発言の真意を伝えるシリアスな場面ですので、真面目な顔で伝えるべきでしょう。笑っていると「ヘラヘラしている」と見られ、さらに誤解されてしまうのではないでしょうか。

知事の表情に生じた視聴者の価値観との相違

一方、別の記者に「問題発言をしたという認識はあるか」と問われ、「不愉快な思いをさせたなら申し訳ない」と言いつつも、知事の顔には謝罪を意味する、悲しみ表情や恥表情は生じません。そして、全体を見ず一部だけを切りとるメディアの報道姿勢に責任を帰します。

知事は、訓示での発言の趣旨を「静岡県に奉仕する公僕として、しっかり勉強してください、体も鍛えてください、芸術を愛する人間になってください」であるとし、「歓迎、励ましの言葉であった」としています。

しかし、全体の流れ、文脈を追っても冒頭の発言は、差別発言と捉えられてもしかたないように思われますし、続く別の記者からも同様のことが指摘されます。この指摘に知事は一瞬眉が引き上げられる驚き表情や眉間にしわが寄る怒り表情を生じさせます。

驚きは自分の想定とは異なること、怒りは障害に対して生じます。知事は、「自分は問題発言をしていない」と本当に思っているのだと考えられます。ここに知事の価値観と一般人の価値観の相違が見られます。

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