憧れのタワマンライフ「快適に」暮らす7つの心得 新生活スタート前に押さえておきたいポイント

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外出時、帰宅時などの声かけはコミュニケーションとしてだけでなく、不審者がいないかどうかを見守るセキュリティ的な意味合いも持つ。

ついつい頼ってしまいがちだが、コンシェルジュはマンション「全体」のサポートを行ってくれる存在であることを忘れてはならない。

たとえば専有部分の不具合確認を依頼したり、クリーニングの依頼時に個別に住戸まで届けてもらったりすることは「私的利用」と見なされ問題となる可能性もある。

サービスとしての対応範囲をあらかじめ確認し、頼りすぎないことも心得として挙げておく。

入居したら管理組合活動に関心を

心得その7:管理組合活動に関心を持って参加する

最後のポイントとして、管理組合活動に関心を持つことを推奨したい。

そもそも区分所有のマンションになった時点で、管理組合は設立している。マンションによって少し差はあるものの、引き渡しが終わった5~6カ月後のタイミングで設立総会が開催され、予算の承認などが進められていく。

「入居したばかりだし、1期目は理事を見送ろう」と考える方も多いかもしれない。しかし管理組合にとって、1期目は大きな意味を持つ。

マンションでは2年目まで、定期点検という形で分譲会社のアフターサービスを無償で受けることができる(2年目以降もアフターサービスは続くが、分譲会社が定期点検を行う期間は2年目までが多い)。

2年目までの定期点検を最大限有効活用するために、利害関係のない第三者による点検を行うためには、総会で決議を取る必要がある。

理事会の対応がうやむやなままでは、いざ何かあったときに対応できず、気づいたら保証期間内の2年を過ぎてしまっていた、ということにもなりかねない。

ここでしっかり対応しておけば、後々やってくる大規模修繕工事を延期できる可能性も高くなり、引いては修繕積立金の軽減にも役立つ。

その意味で、マンション全体の資産価値向上にも影響する、大切な1期目。

新生活スタートと同時に自ら理事に立候補することこそ、タワマン生活を充実させる最大のポイント、心得であるとお伝えしておく。

憧れのタワマンに住む7つの心得
長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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