カリフォルニア州、時給暴騰でついに「3000円」に 時給爆上がりで店長たちが今懸念していること

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一方で、カリフォルニア大学アーバイン校の経済学教授デビッド・ニューマークは、影響は単純ではなく、もっと微妙なものになるだろうと話す。「最低賃金が上がることで、勝者と敗者が生まれる」とニューマークは言う。

勝者となるのは、悪くても勤務時間が少し減るだけで職は維持できる労働者たちで、敗者となるのは、勤務時間を大幅に短縮されたり職を失ったりする労働者たちだ。また、大した利益も上げられず以前から苦しんできた小規模なフランチャイズオーナーたちも敗者となる。

「彼らは最低賃金労働者よりは稼いでいるが、多くは高収入ではない」とニューマークは話す。

8ドルだったポテトが10年で20ドルに

それは、10年前の転職からフランチャイズオーナーへの道が始まったバイナムにも当てはまる。

当時、IT業界で働いていたバイナムと妻のライザは、ランカスターの自宅近くにバーベキューレストランが足りないことに気づき、15万ドルの貯金をすべて使ってディッキーズバーベキューピットをオープンした。

ダラスに本部を置くこのレストランチェーンは400店舗以上を運営しており、バイナムはロイヤリティとして本部に9%を支払っているという。バイナムは過去10年間でスタッフを半分に減らし、勤務時間も刈り込んだ。値上げも進めてきた。開店当時は具材を載せたベイクドポテトが8ドルだったが、今では20ドル近くする。

ランカスターのこのレストランの客にとっては、大幅な値上がりだ。ロサンゼルス中心部から70マイル(約113キロメートル)北に行ったところにあるこの都市では、住民の約15%が貧困ライン以下の暮らしをしており、賃上げと物価高の影響はどちらも切実に響く。

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