カリフォルニア州、時給暴騰でついに「3000円」に 時給爆上がりで店長たちが今懸念していること

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アメリカ国際サービス従業員労働組合(SEIU)を含む強力な労働団体が支持するこの法律は、全国で60店舗以上を展開する大規模ファストフードチェーンを対象に、カリフォルニア州で働く50万人以上の従業員の賃金を引き上げる。

SEIUの委員長メアリー・ケイ・ヘンリーは取材に対し、この法律はとっくに施行されているべきだったと述べた。「対象としているのは10億ドル規模の産業であり、賃上げが可能だし、そうする必要がある」と彼女は言い、そうした従業員の大部分が黒人とラテン系であることを指摘した。「賃上げによって、雇用主は従業員を採用したり、維持したりしやすくなる」。

だが、国際フランチャイズ協会の会長マット・ハラーは、この新たな法律によって多くの中小企業が打撃を受けることが予想されると言う。

「地元のレストランは何十万ドルもの営業コスト増に直面するだろう。客は食料価格の上昇に直面し、レストラン経営者は営業を続けるためコスト削減を余儀なくされることになる」とハラーは述べた。

賃上げで生まれる「勝ち組」と「負け組」

そのメリットと潜在的なリスクについては、エコノミストたちの間でも意見が割れている。

労働組合から一部出資を受けるシンクタンク、経済政策研究所(EPI)のエコノミスト、イスマエル・シド=マルティネスは、この法律は州内の別の低賃金産業で働く労働者の賃上げにも役立つと述べる。

「労働者は消費者でもある。彼らの収入が増えれば、家族を養い、中小企業を活気づけ、州経済を強化するための資源が増えることを意味する」

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