現在、浪人という選択を取る人が20年前の半分になっている。「浪人してでもこういう大学に行きたい!」という人が激減している中で、浪人はどう人を変えるのか。また、浪人したことで何が起きるのか。 自身も9年間にわたる浪人生活を経て早稲田大学の合格を勝ち取った濱井正吾氏が、さまざまな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったことや頑張ることができた理由などを追求していきます。
今回は福岡県立筑紫丘高等学校から1浪して、早稲田大学に進学後、2留して中退。その後、家電量販店の仕事、印刷会社の営業、デイトレーダーや世論調査など、さまざまな仕事を経て、現在はIT通信関連会社の経営メンバーに加わっている西さん(仮名)に話を伺いました。
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母親が望んでいない姿になってしまった
今回お話を聞いた西さん(仮名)は、九州有数の進学校である福岡県立筑紫丘高等学校の出身です。名家の父母のもと、熱心な教育を受けて、名門校に進みました。
しかし、彼は現役の受験で失敗し、浪人を決意します。「初めて母親が望んでない姿になった」と語るこの1年は、「人生で初めて落ちこぼれだと思えた」そうです。
西さんは1浪の末、早稲田大学に進学。大学を中退しましたが、職業を転々としながらも、現在はIT通信関連会社の経営メンバーとして活躍しています。
彼は、浪人の1年をとても前向きに捉えていました。「これからの時代こそ、キャリアに浪人が必要です」と。
浪人の挫折を経て、彼がそう語れるようになった理由とは。西さんの波瀾万丈の半生を探ってみました。
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