「必死に感情抑え」大谷選手会見を心理分析家解説 「え~」を多発、口を一文字にする表情の意味

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ただ、冒頭発言時に口を一文字に結ぶ表情がやや多く生じていることや声明全体の中で登場人物のやり取りがほとんど語られていないことから、「言うに言えないこと」があるのだと推測されます。しかし、これ以上の推測はできません。続報を待ちましょう。

感情が高ぶった場面

大谷選手の感情が最も高ぶったと思われる場面は、会見終了間際。やや呼吸が乱れ、眉はハの字になり、下唇を小刻みに震わせ、口はへの字になりながら、次のように発言します。

「ま、正直あの~ショックという~(鼻から抜ける音)~ま、言葉が、ま~正しいとは思わないですし、え~ま~それ以上の、ん~うまく言葉では表せないような、え~感覚でこの1週間ぐらいは、ずっと過ごしてきたので、今はそれを、ま、言葉にするのは難しいなっていう、思っています」

長年苦楽を共にしてきたパートナーを失ってしまった大きな喪失感が伝わってきます。

大谷選手は、「今日は…略…これがお話しできるすべてなので、質疑応答はしませんが、これからさらに進んでいくと思います」というメッセージで締めくくります。このとき大谷選手は、軽く口角を上げ、笑顔を見せました。

今はネガティブな状況だけど、良くなっていくだろうという期待が感じられます。これからの大谷選手の活躍と事態の推移を見届けたいと思います。

大谷翔平
会見前日の25日に練習する大谷翔平選手(写真:東京スポーツ/アフロ)
清水 建二 株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役

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しみず けんじ / kenji shimizu

1982年、東京生まれ。防衛省研修講師。特定非営利活動法人日本交渉協会特別顧問。日本顔学会会員。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。著書に『ビジネスに効く 表情のつくり方』イースト・プレス、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』フォレスト出版、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』飛鳥新社がある。

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