電話会議・テレビ会議システムの専業大手、米国ポリコムCEOに聞く--オープンスタンダードの強み生かし、さまざまな機器と連携を推進
ポリコムは、法人向けの電話会議・テレビ会議システムに特化した米国企業(本社・カリフォルニア州)で、米NASDAQに上場している。年間売上高は2010年で12億ドル(約980億円)、11年は目標16億ドルと急成長中だ。世界シェア41%を持ち、独自ブランドのほか、大手ITメーカーの法人システム向けにOEMも行っている。
電話会議・テレビ会議システムは、シスコシステムのように独自のシステム技術を持ち顧客を囲い込むビジネスモデルが多い。だが、ポリコムはあえて、オープンスタンダード方式を取り、マイクロソフトやIBM、ヒューレットパッカード(HP)など大手との協業で業績を伸ばしている。
2010年5月、CEOに就任し、積極的な成長戦略に向けて大きく舵を切ったアンドリュー・M・ミラー氏に話を聞いた。ミラー氏が日本のメディアに登場するのは初めてのこと。
--CEO就任から1年、ポリコム社にどんな変化がありましたか。
3つの大きな変化がありました。まず、経営陣を入れ替え、新しいエグゼクティブチームを作りました。ポリコムを50億ドル規模の企業にするために、リーダーシップとヴィジョンを持つ人に来てもらった。
第2に戦略の見直しです。これまで音声+映像でビジネスを考えてきましたが、これからはUC(ユニファイドコミュニケーション、統合型コミュニケーションシステム)の考え方で製品作りをし、他社との差別化を図っていきます。
第3に投資戦略の見直しです。この1年で16の事業所を新設し、1500人を新たに雇用し、従業員数は倍になりました。将来の成長のために必要な投資と考えています。
--今後の成長戦略をどのように描いていますか。
11年は16億ドルを目指しています。これをベースに、3~5年の間、年間25~28%の成長を維持すれば、50億ドル規模の企業になるのは、十分に可能性があります。