年俸165億円男ニケシュが「ガンバルロー!」 ソフトバンク4000人の社員大会で咆哮した

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(撮影:尾形文繁)

6月19日午後3時、東京国際フォーラム。4000人を超すソフトバンク幹部社員が長大な列をつくり、続々と入場した。社員たちの表情は例年の社員大会より、真剣に見えた。

それに先立つ総会ではニケシュ・アローラのソフトバンクグループ(旧ソフトバンク)取締役就任が正式に承認された。世界トップのインターネット企業グーグルで最高事業責任者をつとめたニケシュ・アローラ(47)を孫社長の後継者候補として迎え入れ、代表取締役副社長としたのだ。報酬は165億円と発表された。

その株主総会で、長い間、孫社長の右腕として事業を運営してきた宮内謙代表取締役副社長が「取締役」となった。これはどういう意味を持つのか。

越王句践にあらず

参謀が語るソフトバンク怒濤の8年間の「正史」。画像をクリックするとアマゾンのサイトへジャンプします。

中国の春秋時代、臥薪嘗胆で知られる越王句践が呉王夫差を破ったあとのことである。句践の参謀だった「范蠡(はんれい)」が越王句践の目標達成後の行動を「蜚鳥尽きて良弓蔵せられ、狡兎死して走狗煮らる」と予測した。

「飛んでいる鳥を射尽くしてしまうといい弓も蔵にしまわれ、獲物であるすばしこい兎が死んでしまうと猟犬は用がなくなり煮て食べられる」。

事が成ってしまうとそれまで役に立っていたものは必要なくなるという意味である。

国内通信事業中心のソフトバンク1.0でNTTドコモを抜くという目標を果たすことができた。これからは、世界へ羽ばたくソフトバンク2.0へフェーズは変わった。幹部社員が「范蠡」と似た感想を持ったことは否定できない。

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