コーストがアパとまったく異なっている理由は、アメリカ、カナダのさまざまな法律と規格が、日本とは異なることが大きい。そのため、ノウハウをすべて踏襲することができないのだ。
客室の広さも、かなりまちまち。取得以前のホテルの仕様が残っている部分もあるが、旅館業法に当たる法律が州によって異なるためだ。インテリアや備品もまたしかり。
だが、「日本の良いサービスは導入したい」と少しずつ改修を進めているそうで、なかでもバスルームについては、全ホテルで日本式を導入。好評を得ているそうだ。
特に全直営ホテルに導入している温水洗浄便座は、カナダのホテルにはほぼ普及しておらず、「アメージング!」と喜ばれ、差別化につながっているのだとか。
シャワーも、北米とカナダは固定タイプが標準なところを、日本式ホースシャワーを採用。「使い勝手が良く、これまでバケツで行っていた清掃のスピードアップにもつながった」と、従業員にも歓迎されている。
社長兼CEOの元谷一志氏はその反響について、「限られたスペースのなかで、小型化、高性能化したサービスを提供できることは、日本人の特性だと思っています。コーストホテルで日本の客室の良さを提言していきたいですね」と笑顔を浮かべる。
ちなみにゲストはアメリカ人、カナダ人が中心で、バスタブに湯をためて使う習慣はほぼないそうだ。だが、日本人も宿泊するため、「大は小を兼ねる」と設置しているという。また会員システムもアパの良いところを踏襲しつつ、現地仕様にカスタマイズして作っている。
大手の寡占化で見えた国内市場の限界
アパが北米に進出した狙いはどこにあるのだろうか。きっかけは、国内ビジネスホテルの寡占化が進み、拡大に限界が見えてきたことにある。
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