山形新幹線、25年ぶり新型「E8系」が導く大変革 アプローチ線、トンネルに続きフル規格化も?
運行開始に先立つ3月7日に関係者向け試乗会が開催され、上野―郡山間を往復した。E8系の外観のカラーリングは車体上部が紫、オレンジ色の帯をはさんで車体は白。この配色の構成はE3系に似ている。ただ、先頭車の「鼻」に当たる部分は長さ9m。E3系よりも3m長い。形状は「アローライン」と呼ばれるもので、E5系やE6系でも採用されている。
普通車は通路中央部に最上川をモチーフとした柄を通し、座席は山形県の花である紅花をイメージした鮮やかな黄色から赤へのグラデーションを採用した。E3系と比べると明るい印象を受ける。なお、グリーン車の座席は、樹林の広がる月山や最上川のゆらぎを再現したという緑色がモチーフだ。
また全席、肘掛けの下にコンセントがある。新幹線の車両では足元にコンセントがあることが多いが、場所によっては差しにくかったり、足が引っかかったりする。肘掛けの先端にコンセントが設置されている車両もあるが、リクライニングのボタン操作の邪魔になったりする。肘掛けの下というのはJR東日本の苦心の賜物である。
福島のネック解消へ「アプローチ線」増設
上野駅を出発した列車は宇都宮駅を過ぎたあたりからぐんぐんスピードを上げ、車窓から見える外の景気も飛ぶように流れていく。スマホの速度表示アプリで計測したら確かに速度は時速290kmを超えていた。その割にはあまり揺れていないように感じられる。「高速走行時の横揺れを軽減するフルアクティブサスペンションを全車両に設置して、乗り心地を向上させている」と、同乗したJR東日本の担当者が教えてくれた。
郡山駅では駅員たちが「郡山駅へようこそ」と書かれた横断幕で出迎えてくれた。列車は30分ほど停車した後、再び上野駅に向かって走り出した。
山形新幹線をめぐっては、ほかにも輸送安定や所要時間短縮のための取り組みがいくつか行われている。福島駅には新幹線と在来線が直通するための「アプローチ線」が設けられているが、アプローチ線は1本のみで上り、下り兼用となっている。そしてこのアプローチ線は福島駅の14番線につながっている。
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