西鉄天神大牟田線「隣駅から徒歩5分」新駅の背景 駅間距離最短、福岡市南部に開業「桜並木駅」
新駅は、雑餉隈駅付近の連続立体交差事業と同じ2010年に工事に着手した。連続立体交差化は雑餉隈駅付近から下大利駅付近までの約5.16kmで実施しており、事業主体は雑餉隈駅付近の約1.86kmが福岡市、春日原駅―下大利駅間の約3.3kmは福岡県と分かれている。新駅が位置するのは福岡市が事業主体の区間だが、駅の設置は西鉄による事業だ。
当初は2020年度中に高架線に切り替える予定だったが、春日原駅の地下にコンクリート塊が見つかったことで工事が遅れ、高架化は約1年5カ月遅れの2022年8月にずれ込んだ。線路の高架切り替えと同時に、雑餉隈、春日原、白木原、下大利の4駅も高架化された。

同区間の高架は、一部を除いて従来の地上線の真上に造る「直上方式」で建設した。この方式だと、もともと線路があった場所に駅舎などの施設を造ることになるため、「高架線に切り替えた後に下の部分を仕上げる必要がある」(西鉄連立工事事務所の担当者)。線路の高架化後、引き続き新駅施設の工事を進め、2024年1月、開業日を3月16日と正式に発表した。

コロナ禍から復活のダイヤ改正
桜並木駅の開業に合わせ、天神大牟田線はダイヤ改正を実施。コロナ禍によって減少した利用者数が回復してきたことから運行本数を増やし、取りやめていた平日日中の特急列車復活など前向きな内容が目立つ。桜並木駅の隣駅、春日原は新たに特急停車駅となる。

西鉄の2023年度第3四半期決算説明資料によると、鉄道利用者数はコロナ前の2019年度同期と比べて約9割まで回復しており、とくに定期客は約95%まで戻っている。一方で定期外客は8割台後半にとどまっており、さらなる回復へは通勤・通学以外の利用者増加が課題だ。
桜並木駅の利用者数は1日約8000人の想定だ。これは隣接する雑餉隈駅からの転移も考慮した数だが、西鉄は「せっかくの新駅なので利用者増に結び付けなければ」(広報担当者)と意気込む。
福岡市内では2023年3月に地下鉄七隈線が博多駅まで延伸開業し、それまで利用低迷が続いていた同線は混雑が問題になるまでに乗客が増加した。桜並木駅の開業は西鉄に「桜咲く」結果をもたらすことになるか。

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