ビットコイン最高値「仮想通貨高」過去との決定差 進む選別、かつての全面的熱狂は見られない
ビットコインが6万9000ドルを超えて史上最高値を更新した3月5日、暗号資産(仮想通貨)ファンは祝杯をあげた。2022年の相場低迷からいくつもの大手企業が倒産に追い込まれて評判を落とした仮想通貨だったが、信者たちにとって今回の高値更新は、仮想通貨の正しさが証明された瞬間といえた。
しかし、仮想通貨は本当に復活したのか。数字は業界が再び繁栄し始めていることを示唆するものの、今回の強気相場と、仮想通貨価格をかつての最高値に押し上げた陶酔感の間には、いくつかの大きな違いがある。
ここでは、その違いを見ていこう。
「酒とバラ」に溺れた前回の熱狂
ビットコインが前回、最高値を更新したのは2021年11月で、当時は仮想通貨が文化現象になっていた。仮想通貨企業の幹部は、有名人たちと交流し、アメリカ最大のスポーツイベント「スーパーボウル」のコマーシャルを使って大規模なマーケティングキャンペーンを実施した。
2022年春には、トップクラスの知名度を誇るいくつかの仮想通貨企業の詐欺が発覚し、相場は暴落。貯金を仮想通貨につぎ込んでいた人々は、すべてを失った。
2022年11月、サム・バンクマン=フリードが設立した仮想通貨交換会社は銀行の取り付け騒ぎに相当する事態に陥り、利用者は80億ドルを失った。仮想通貨はどん底にあった。