ビットコイン最高値「仮想通貨高」過去との決定差 進む選別、かつての全面的熱狂は見られない
以降、ビットコイン相場は右肩上がりを続け、FTXの崩壊後につけた約1万6000ドルの安値から、6万9000ドルの史上最高値へと上昇した。
仮想通貨業界に大きな転機が訪れたのは2023年8月、裁判所の判決により、金融機関がビットコインの価格に連動した新たな投資商品を提供する道が開かれたときだった。上場投資信託(ETF)と呼ばれるこの商品は、投資家に仮想通貨を直接所有することなく仮想通貨に手を出す方法を提供した。
ETFは資産のバスケットを株式に分割したもので、投資家は資産そのものではなく、株式を購入する。そうしたビットコインETFが登場したことで、デジタルウォレットを設定したり、怪しげな新興企業に貯金を預けたりすることに不安を感じていた慎重な投資家も、仮想通貨市場に足を踏み入れることができるようになった。
影響はすぐに表れた。1月にETFが市場に登場して以来、75億ドルを超える資金がETFに流れ込み、ビットコイン価格を押し上げたのだ。
一世を風靡した怪しげな勢力が後退
2021年に仮想通貨がブームになったとき、その上昇は少なくとも部分的には、新型コロナウイルスの世界的な大流行で家に閉じこもることになった一般の人たちが新たな趣味としてオンライン投資にのめり込んだことが原動力になっていた。
彼らはオンラインジョークに基づいた暗号通貨、いわゆるミームコインを買い占め、ビジネスモデルのいい加減な流行の仮想通貨銀行にデジタル資産を預けた。非代替性トークン(NFT)として知られる暗号ベースの収集品も価格が急騰した。