ソニーホンダがマイクロソフトと組んだ「深い縁」 両社キーマンが明かす「AIで提携」に至った裏側
――モビリティーに生成AIが絡むことで、具体的にどのような付加価値が生まれるのでしょうか。
川西 ひとくくりで言ってしまうと、ユーザーエクスペリエンスだ。
モビリティーにおけるユーザーエクスペリエンスを考えると、運転する楽しみは当然あると思う。ただ、自動運転の世界が到来し、隣に会話できる人も乗っていなかったときに、代わりとなるものは何なのかと。そういったケースにおいて、コミュニケーションやエンターテインメントの手段として可能性があるのではないか。
沼本 ビル・ゲイツの時代から「Information at your fingertips(指先で情報を)」という考え方でやってきたが、皆さんの情報収集や生産性を向上させるうえで、今まで車の世界は別空間という感じだった。それがこの協業によって、当たり前のように車の中でも情報を扱えるようになっていく。
AIの活用先は車内空間に限らない
――パートナーシップの下での取り組みは、いつ、どこで何からスタートするのでしょうか。
川西 サービスをうちで開発する時に、マイクロソフトの技術的なソリューションをどれだけ活用できるか、今まさに(検証を)やっているところだ。いろんな交流の中で、開発体制は作れると思う。
個人的には、あまりモビリティーにこだわっているわけではない。(生成AIは)スマホの利用時などいろんなシチュエーションで使えるものだと思っている。
――例えば、車を乗り降りする前後に利用するスマホアプリやサービスなどについても、生成AIを活用して開発できる余地があると。
川西 そうだ。僕は(車を)ユーザーエクスペリエンスとしてしかとらえていない。たまたま「車に乗っている」という時間なだけだ。
一方で、人間は別にずっと車に乗っているわけではない。
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