がん患者になった医師が教える「余命宣告」の意味 体力が低下しつつ、がんが進行したらどうなるのか

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次にカレンダーを見ます。1週間のうち、例えば週末にお出かけをする人の場合は、平日は追加の予定を入れずに無理なく過ごします。このようにがんばる時間帯と、無理しないで過ごす時間帯を意識して日々を過ごす。1日中がんばろうとすると、体力が持たず、結果的に本来やりたいこともできず中途半端になってしまいます。

体力温存療法を実践することでゆとりを持って過ごせるようになるはずです。「何事も戦略的に、体力は計画的に」なのです。

がん患者が辿る体力低下の軌跡

さて、進行がんの患者さんが先の過ごし方を考えるときに、どうしても知っておいてほしいことがあります。それは、身体機能の軌跡についてです。
よく、患者さんはこれからどうなっていくのかわからないと心配されます。誰だって初めてのことですから、その不安は当然なことです。この先どうなっていくかという質問をされたとき、私は次のように答えています。

闘病で困ることのポイントは大きく2つです。1つ目は痛みなど病気の部位による身体のつらさです。これは痛み止めなどの治療でしっかり和らげることができるでしょう。

問題は2つ目です。がんは体力が弱っていく病気なので、どこかで歩くのが大変になり、食事を多く摂れなくなってくることがあります。これを回復させる方法はないので、介護など自宅でどう過ごすかという問題が生じます。

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