北海道の根室線、「鉄路消滅」で沿線はどうなる? 『鉄道員』『北の国から』ロケ地の駅も廃止に

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

JR根室線は、道央の滝川駅から道東の根室駅に至る443.8kmの長大路線。途中、富良野や帯広、釧路といった観光・産業の主要都市を経由する。滝川で函館線、新得で石勝線と接続する。滝川―新得間はかつて北海道の東西を結ぶ中心的な役割を担っていたが、1981年の石勝線(南千歳―新得間)開通により、特急の定期列車が走らないローカル線となった。

2024年3月末限りで廃止の富良野―新得間には、途中駅として布部、山部、下金山、金山、東鹿越、幾寅、落合が並んでいる。2016年8月の大雨の被災後、富良野―東鹿越間は同年10月に再開したが、東鹿越―新得間は鉄道の復活を見ることなく、最後まで列車代行バスで運行される。

富良野駅 駅名標
根室線と富良野線が乗り入れる富良野駅の駅名標。根室線の布部方面が廃止に(記者撮影)

廃止区間の始発駅、富良野では滝川方面からの根室線、旭川方面から富良野線が合流する。夏はラベンダー、冬はパウダースノーが自慢のスキー場など、北海道を代表する観光地らしく外国人旅行者の姿も目立つ。「オムカレー」といったご当地グルメも人気だ。テレビドラマ『北の国から』の舞台としても有名で、周辺にロケ地が点在している。

『北の国から』ゆかりの駅も廃止

根室線は富良野から南へ空知川に沿って走る。廃止区間の1駅目の布部駅は、北の国からの第1話で、北海道に帰ってきた五郎・純・螢が降り立つ駅として登場する。布部、山部、金山の各駅からはかつて木材を搬出する森林鉄道も延びていた。金山―東鹿越間の空知トンネルを抜けると、金山ダムによってできたかなやま湖が見えてくる。

JR北海道 根室線 東鹿越駅
東鹿越駅は列車と代行バスの乗り換え地点(記者撮影)

湖畔の東鹿越駅が列車と代行バスの乗り換え地点。新得方面へのバスは列車が来なくなった幾寅、落合両駅に立ち寄る。落合から先、国道38号は東へ、根室線は南へ分かれて狩勝峠を越える。

かつての根室線は国道に沿ったルートで、急勾配・急カーブが連続する難所だった。旧新内駅付近は長野県の篠ノ井線姨捨駅付近、熊本県の肥薩線矢岳駅付近とともに「日本三大車窓」の1つとされた。1966年の新線完成後、旧線の一部は国鉄の実験線となった。

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事