志尊淳「今の時代の中、俳優として生きる決意」 杉咲花に寄り添った『52ヘルツのクジラたち』

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志尊は昨年末に俳優として独立するなど環境も一新した。役者として、また人間として、今後どのような成長を目指しているのか。

「まあ、物事は自然に任せるしかないですよね。今まで俳優として強く突き進んできましたが、その過程で自分を疲弊させてしまった時期もありました。『売れなければ、人気がなければ、フォロワー数が多くなければ』というプレッシャーを感じ、つらい日々も経験しました。そんな中、病気でほぼ寝たきりになり、活動を一時休止したんです。そのときに、これまでの価値観を捨てて、新しい考え方を持ちたいと。自分を厳しく責める必要はないし、生きているだけで十分だと感じるようになりました。仕事に対する考え方はともかく、人生観が変わったのは間違いないですね」

(撮影:長田慶)

新たな人生観とともに歩む道

「将来はこうなりたい」と具体的な目標を立てるよりも、自分ができることをつねに見極めながら進んでいく。昨年の秋にファンクラブを立ち上げたのも、この考え方が影響しているようだ。

「俳優で表現することも大切なんですけど、それと同時にずっと応援してくれてる方々に感謝の気持ちをずっと持ちながら、しっかりと還元していきたい。僕を応援したことによって楽しんでもらえるような人生を歩んでもらえたらなって。その気持ちが特に強いです」

インタビューの中で、志尊が繰り返し語ったのは「ずっと寄り添う」という姿勢だった。

(撮影:長田慶)

「愛を注ぐ人って、友達とか家族とかいろんな人がいると思うんですけど、そういう人が見つけられたら、『その人のために何かしたい』。それが僕の生きがいです。もうそこしか自分の武器がないんですよね。武器という表現は適切ではないかもしれませんが、その気持ちは変わらず、これからも持ち続けていきたいと思っています」

彼の言葉からは、俳優として難しい役柄に深く共感し、共演者とともに作品の重みを担い、そして彼を支え続ける人々に寄り添う決意が感じられた。

それを有言実行していくのが志尊淳の生き方なのかもしれない。

スタイリスト:九 ヘア&メイク:大木利保

池田 鉄平 ライター・編集者

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いけだ てっぺい / Teppei Ikeda

Jリーグ、国内、外資系のスポーツメーカー勤務を経て、ウェブメディアを中心に活動。音楽一家で育ち、アーティストとしてインディーズでアルバムリリースも経験。スポーツ、音楽、エンタメを中心に取材活動を行っている。

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