なぜ「酔って道で寝て」事故に遭う人がいるのか タクシー降車後 路上で寝てしまい死亡した例も
東京で働く大手キー局の社会部記者が話す。
「泊まりで勤務のとき、警視庁から事故の発生の連絡を受けることがあります。年末年始や年度末は週に数回は必ず路上で寝てしまって、そのまま事故に巻き込まれる事案が発生しています。またかと思うほど連日の場合もあります」
警察庁が去年3月に公開した「令和4年における交通事故の発生状況について」によれば、2022年に歩行中の事故で死亡した895人のうち、1割の109人が路上横臥で亡くなっている。
過去5年の死者数の推移をみると、新型コロナの影響で外出自粛の傾向が強まった21、22年以外の年は、100人以上が死亡している。
警視庁の関係者は「死亡以外のケガなどの事故の発生だとその15倍ほど。毎年1500件前後は発生しています。事故が起きる時間帯は午後8時から午前4時までが多い」と話す。
関東県内で個人タクシー業を営む50代の男性は「路上で寝ている人をタクシーが轢いてしまうことがあり、毎年3、12月は都道府県のタクシー協会が警鐘を鳴らしています。もうかれこれ20年以上、毎年ですよ」と打ち明ける。
タクシーを降りたものの…
この男性は東京都を中心に25年以上、タクシーの運転手を勤めてきたベテランだが、「自動車に対して縦向きに寝られているとライトの照射面積が少なく、わかりにくい。ヒヤッとした経験を持つドライバーも多いはず。俺らは最悪のケースに備えて注意を払いつつ運転してるけど、『路上で人が寝ているかもしれないから気をつけろ』と言われても限界がある人もいるのでは」と続けた。