快進撃のトランプ氏「13指標」で見た再選の現実味 過去の大統領選を的中、リットマン氏に聞く

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米アメリカン大学のアラン・リットマン特別栄誉教授
Allan Lichtman/アメリカン大学特別栄誉教授(歴史学)。1973年ハーバード大学で博士号取得。大統領選の独自分析手法を構築。2016年にトランプ氏の勝利を予測し、話題に。専門は米現代史、米政治史、米大統領制、公民権など。著書に『Predicting the Next President: The Keys to the White House』(未邦訳)(写真:本人提供)

――次期大統領選の行方をどう見ますか。

「①中間選挙で与党が躍進した(連邦下院で議席を増やした)」については、民主党は2022年11月の中間選挙で、下院を野党・共和党に奪還された。だから、答えは「正しくない(ノー)」であり、バイデン大統領に不利だ。

「②現職大統領の党候補指名に挑む主要な候補者がいない」「③現職が再選を目指す選挙である」は、バイデン大統領が続投を宣言し、主要な党内の挑戦者もいないから、いずれも「真実(イエス)」だ。

「高齢のバイデン大統領は若い世代に道を譲るべきだ」といった不満が渦巻いているが、実のところ、与党・民主党にとって勝利のベストチャンスはバイデン大統領の続投にある。仮に彼が退いたとしたら、上記2つのカギが一転して「正しくない(ノー)」になる。

経済の短期予測がどうなるかは知る由もない

――「④主要な第3党候補者がいない」については、ケネディ元大統領の甥であるロバート・ケネディ・ジュニア氏が昨秋、無所属で大統領選への出馬を宣言し、著名な進歩主義派の学者であるコーネル・ウェスト氏も立候補を表明しています。反トランプ派の急先鋒であるリズ・チェイニー前下院議員(共和党)は、「トランプ復活を阻止すべく、あらゆる手を尽くす。第3政党からの立候補もありうる」と、CNNに語っています。

リズ・チェイニーが出馬するとは思わない。今から始めるのは時期的に遅すぎる。ロバート・ケネディ・ジュニアもコーネル・ウェストも、どれほどの支持を集められるか不透明。④について答えを出すのは時期尚早だ。

――「⑤経済の短期予測が良好である」「⑥経済の長期予測が良好である」は、今のところ、どちらも「真実(イエス)」ですよね。 

確かにアメリカ経済は堅調だ。経済の長期予測に関する指標が良好なのはほぼ確実だが、今後6カ月間の短期予測がどうなるかは知る由もない。

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