部品会社が「キャンピングカー」に参入する真意 サスペンションだけじゃなく車体販売も目論む

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そこで、同社では、自社が持つ技術力を投入した新しいサスペンションを搭載し、車中泊だけでなく、移動中も快適なキャンピングカーの開発を目指しているのだ。では、なぜデュカト専用なのか。それに対し、担当者は、「デュカトをベースとしたオリジナルのキャンピングカーの製造も目指している」ためだという。しかも、新型モデルは2025年度に販売開始を予定。約1年後には市場へリリースするという。

2023年のコンセプトカー

カヤバが東京オートサロン2023に出展していた車両
カヤバが東京オートサロン2023に出展していた車両(筆者撮影)

じつは、カヤバは、2023年の東京オートサロンにもトヨタの商用トラック「ダイナ カーゴ」をベースにしたオリジナルのキャンピングカーを出展した実績を持つ。これは、独自の油圧技術を投入することで、停泊時にキャビン部の天井や車両右側を拡張できるトランスフォーム機能を採用したモデルだった。キャンプ場などに停泊する際に室内を広くでき、より快適な車中泊が可能というもので、かなりユニークなアイデアだった。だが、2024年の同ショーには、この仕様は展示すらない。先述の担当者いわく「コストがかかり過ぎるため商品化が難しい」ためだ。

そこで、同社では、近年、多くの注目を集めているデュカトをベースとしたキャンピングカーに着目。しかも、デュカトは、ノーマル仕様でも「もともとボディ剛性などが高いため、ステアリングを切ったときの回頭性が良く、軽快なフットワークを持つ」(担当者談)という。それに、オリジナルのサスペンションを装備することで、「乗用車感覚で乗ることができるキャンピングカー」を作る計画なのだ。

では、新型キャンピングカーには、足まわり以外、例えば、室内外の装備などに、どんな独自性を持たせるのだろう。2023年に展示したデモカーのように、独自の油圧技術を使った車体のトランスフォーム機能を採用すれば、かなり話題になりそうなのだが。

次ページ本格的にキャンピングカー製造に挑戦するカヤバの狙い
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