「内向型の人」が強みを生かして成果を出す働き方 アップルの成功も「内向型」の力が導いた
そして、アップルの歴史をたどれば、流行に流されず、自分の好きなことをひとりで追求することで独創性を発揮したことを彼は証明しています。
アップルは株式上場し、2人のスティーブは億万長者となります。そこで2人の運命は分かれます。ジョブズは経営者として権力ゲームに夢中になり、一度は自分で創業した会社を追われます。
ウォズニアックは自分の分の株式をアップル職員たちに、1株当たり5ドルというただ同然の価格で、1人当たり2000株ずつ譲渡する「ウォズ・プラン」を実行します。最低賃金だけを受け取りながら社内で発明に関わり、1985年にはアップルから離れます。ベンチャー事業を営むかたわら、自分の子どもが通う小学校の教師としても働き始めます。どこまでも彼は自分の心の声に従い、好きなことを追い求め続けます。
ウォズニアックと一緒に働くことは多くの学びがあるため「ウォズニアック大学」とも呼ばれました。ウォズニアックが人間的な魅力ではジョブズをしのぎ、アップルの発展の礎を築けたのは、好きなことに没頭する純粋な精神性とそれがもたらす独創性が大きく影響しているのです。
トレンドに流されず、「自分の内面」を重視する
独創性の高い人は自分の好きなものに敏感です。好きなものを集めて、分析して、さらにその中から新しいものをつくる能力に長けています。
内向型の人は、自分の内的世界に時間を使う傾向にありますから、結果的に独創性も高い傾向にあります。
多くの人は関心が外の世界に向かってしまいます。髪型やファッションなど「トレンド」を追いかけて、どうにかして他の人と差別化しようと一生懸命になります。特に外向型の人は反射的に反応するのでトレンドに乗っかるのは得意です。
ただ、皆さんも街を歩いていてわかると思いますが、トレンドはすぐに真似できますし、独自性を示すのは簡単ではありません。外向型の人はトレンドには乗れますが、独自のものをつくるのは苦手です。深いものはつくれません。
ファッションの世界で独自の世界を示すのはデザイナーなど独創性のある人たちです。デザイナーの多くは自分の世界を持つ内向的なタイプが多いことはよく知られています。
独創性を発揮する人は外の世界に関心を向けるよりは、「自分の内面」を重視します。トレンドに流されずに「自分らしさ」を追求します。それは第三者からみると、「その人ならでは」のスタイルに映り、独創性につながります。
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