近鉄特急の陽キャ「伊勢志摩ライナー」の持ち味 1994年登場、サロンカーがリゾート気分を演出

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先頭部の外観デザインは、先輩格のアーバンライナーのようにスピード感ある傾斜のついた流線形。前面に大型曲面ガラスを採用した。乗務員室後ろにガラス張りの「パノラマデッキ」を設け、前方・後方の迫力ある景色が楽しめる仕掛けとなっている。

伊勢志摩ライナー パノラマデッキ
乗務員室後ろには前面・後方の展望が楽しめるパノラマデッキ(記者撮影)

ぜいたくな仕様は外観や内装ばかりではない。モーターとブレーキの性能を高め、国内の大手私鉄で初めて最高速度時速130kmの営業運転を実現している。

同社が新型特急車両の建造を発表した1993年7月1日付の報道資料によると、登場時の車体カラーは「リゾート法第一号のサンベルトゾーンを意識したイエローを基調にホワイトを配したツートンカラーで、一部にアクセントのブルーを加え伊勢志摩リゾートのイメージを強調した」という。

リニューアルで赤い車体が登場

2013年の伊勢神宮式年遷宮に合わせて、ハイデッカー車両で車窓の眺めがよく、座席はすべて3列配置、さらに近鉄特急伝統の2階建て車両を連結した豪華な仕様の「しまかぜ」が登場している。

伊勢志摩ライナーはその前年からリニューアルを実施した。車体カラーを赤色と黄色の2種類とし、「伊勢志摩の太陽と陽射しを表現」した。座席には電源コンセント、全トイレに温水洗浄便座を導入。デラックスカーの壁面には真珠の装飾も取り付けた。

登場時は両端の車両のみが禁煙車だったが、全席禁煙として賢島方から3両目に喫煙室を設けた。2024年3月1日以降はその喫煙室も廃止されることになった。

赤い伊勢志摩ライナー
鳥羽駅を発車した賢島行きの伊勢志摩ライナー。リニューアルで赤い車体カラーが誕生した(記者撮影)
伊勢志摩ライナー 鳥羽湾 走行シーン
鳥羽の海をバックに走る伊勢志摩ライナー(記者撮影)
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