「11浪で早稲田合格」今も彼が抱く"浪人への後悔" 大学卒業後は40代でIT企業勤務にも挑戦した

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「母方の祖母が亡くなったんです。生きていたときから『入学式の姿が見たかった』と言われていたので、おばあさんにその姿を見せることはかないませんでした。だから自分が情けなくなってしまって、受験を頑張らないといけないなと思いました。

それで、働きながら自分の稼ぎでいける大学を探して、比較的学費の安かった早稲田大学の政治経済学部・第二文学部に目をつけたんです」

とはいえこの年はもう間に合わなかった彼は11浪目に突入します。今まで落ちた理由を「精神的に幼かったから」と振り返った彼は、来年こそは受かるために1日当たりの勉強の密度を上げる決断をします

「この年もいつもとやったことは一緒です。12月まで仕事をしてお金を稼いでから勉強を頑張ったのですが、例年より真剣に取り組みました

その結果、千葉大学法学部と早稲田大学政治経済学部・第二文学部を受験して、政治経済学部以外は合格をいただけたので、立地や働きながら通うことを考慮し、早稲田大学の第二文学部に入学しました。早稲田なら多浪している人も多そうで通いやすそうでしたし、素直に嬉しかったです」

激動の浪人生活を送った東さん。彼に浪人してよかったことを尋ねたところ「自分がどういう人間かを知れた」、また、浪人を通して変わったことについては「精神面が大人になった」と答えてくれました。

「どれだけ恵まれているか知ったほうがいい」

「僕は浪人生活を頑張れませんでした。自身の考えの甘さで、自分を浪人しないといけない状況に追い込んでしまっただけです。高卒ですぐに社会に出る人もいる中で、自分は長い間浪人をさせてもらいました。

現役の受験で東大に合格できず、もう1年浪人して挑戦したかったけど家庭の事情でさせてもらえなかった人に『お前はどれだけ恵まれているかを知ったほうがいい』と言われたことがあります。この11年は、自分がどれほど人に支えられていたかを知れた期間だったと思います。

でも、周囲に何を言われても、一般的な価値観に左右されずに浪人を何年も続けられるような(図太い)人間なのだと知れたのは、自分の人生にとって大きかったと思います」

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