進学した早稲田大学では、大勢の浪人経験者とも仲良くなれた東さん。「浪人している人は人間として味があって、何かしら感銘を受けることが多かった」と語るように楽しい大学生活を送れたそうです。
40代でIT企業勤務にも挑戦
3年生のときに脳出血を起こしたために就職活動ができず、卒業してからも浪人時代から続けていた派遣の仕事をしていたそうですが、40代になってからIT企業勤務にも挑戦。現在は転職し、テクニカルサポートの仕事をしていると語る東さん。
大学を卒業してからも新しく挑戦を続けている東さん。40代後半を迎えた彼は今、青春時代の多くを占めた浪人の日々を振り返ります。
「浪人は人生のリアルだと思います。それなりにいい大学に行けば、人生が成功できるかもしれないという状況に置かれていても、自分は1年すら勉強し続けることができませんでした。『現役で頑張れない人間が、浪人で頑張れるわけがない』と現役生に言われたことがありますが、自分すらもそう思っている部分があります。
でも、自分が新聞配達をしながら浪人をしていた時期、きつい仕事と両立して、2浪で志望校に受かった子も周囲にいました。そういう人にとっては、苦労が実る浪人はプラスだったわけです。
僕が今、人生に大成功していると『浪人をしてよかった』と胸を張って言えますが、結果が出ていないのでそうは言えません。そういう点では、浪人を経験してよかったと思えるかどうかは、自分が置かれた環境でどれだけ頑張れるかだと思います」
10年以上に及ぶ浪人で自分の弱さを知り、挫折を味わった東さん。「恵まれていることを知るべき」と言われていた精神的に幼かった彼は、長い浪人生活を通して、俯瞰で物事を見る大人の考え方を手に入れたのだと思いました。
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