JR東海「リニア」トンネル工事進んでも静岡は闇 首都圏では順調だが、静岡は知事と泥試合へ
この工区ではおよそ20人が働いている。カッターヘッドで土を削る作業は地上のオペレーションセンターで操作している。
実際の作業では、名古屋方面に向けて1日あたり10mずつ掘進する計画だ。休日や予備日を加味すると1カ月で200m程度の掘進を予定している。1年で2.4km、2年で4.8kmという計算となり、2026年12月の工事完了は余裕を持った計画といえる。
1人で突っ走る静岡県の川勝知事
唯一工事が進まない静岡工区の状況はどうなっているのか。工事の許認可権限を持つ静岡県の川勝平太知事は「リニア推進派」を自認するが、その言動は「リニア反対派」と言わざるをえないものばかりだ。本来なら、知事の発言は県民の声を代弁したものであるべきで、そのためには県民との密なコミュニケーションは欠かせないが、川勝知事の場合は異なるようだ。
たとえば、南アルプスの環境保全に関して国の有識者会議が2023年12月に報告書をまとめており、会議には県もオブザーバーとして参加しているが、大井川流域の8市2町の首長たちは、「県から報告書に関して説明してもらったことはない」という。
流域市町の首長たちから、「ぜひ話を聞きたい」という要望があり、1月21日に有識者会議の中村太士座長(北海道大学教授)や国土交通省の村田茂樹鉄道局長らが静岡県を訪問、静岡市役所で難波喬司市長、および島田市役所で染谷絹代市長ら大井川流域の8市2町首長らと相次いで意見交換した。
どちらの会談も冒頭挨拶を除き非公開。会議後の報道陣への取材で、難波市長は、「南アルプスの環境への影響をどのようにして低減するかについて意見交換した」と話した。
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