京阪石山寺駅を紫一色に変えた「大河」への期待感 源氏物語ゆかりの地、石坂線の「小ターミナル」

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石山寺駅は1914年、大津電車軌道によって開業。1924年7月に同社が発行した『遊覧案内』によると、1913年3月1日に浜大津―膳所間が開通、1914年1月12日に石山駅前、2月15日に石山寺まで延伸した。また「電車は螢谷を以て終點とし、モーターボートを以て石山寺に連絡する。三井寺下から螢谷までの間、電車の旅行で車窓の外に湖畔の風光を賞した乗客は、こゝで自ら畫中の人となつて目差石山百歩の處に到着するのである」との記述がある。同書添付の路線図を見ると当時の駅名は蛍谷で、石山寺まで「電車連絡船」があったことがわかる。

石山寺駅 260型
50年以上前の石山寺駅の姿。写真の260型車両は1957年製(写真:京阪電車)

大津電車軌道は1927年に太湖汽船と合併して琵琶湖鉄道汽船となった。その鉄道部門は1929年に京阪電気鉄道へ合併された。蛍谷は1937年に石山寺に改称。駅名は1950年に石山蛍谷へと変わり、1953年に石山寺に名称が戻っている。

駅全体を紫色に衣替え

現在の駅は3面2線の頭端式ホームで日中は無人の小さなターミナル。朝は滋賀県立石山高等学校に通学する生徒たちが降りてきてにぎわうほか、路線バスから電車に乗り換えて石山駅方面へ向かう通勤客も多いという。乗降人員は2022年時点で2237人(11月8日調査)と、大津線管区の27駅中、11位となっている。

京阪電車は大河ドラマの放送に合わせ、紫式部をイメージして駅全体を紫色に衣替え。駅の正面には土佐光起筆『紫式部図』をデザインした看板を設置した。

石山寺駅の構内(記者撮影)
柱や屋根、柵が紫一色になった石山寺駅の構内(記者撮影)
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