京阪石山寺駅を紫一色に変えた「大河」への期待感 源氏物語ゆかりの地、石坂線の「小ターミナル」
東西線と京津線は直通運転をしており、逢坂山越えでは登山電車のような急曲線・急勾配、大津市内では併用軌道区間と、地下鉄に入る車両ながらバリエーションに富む車窓が楽しめる。時間はかかるが、京都市中心部から混雑する京都駅を経由せずに直接大津方面へ抜けることができる。
そして、びわ湖浜大津駅から南北に走るのが石坂線。この石坂線と京津線と合わせて「大津線」といい、京阪電車にとっては京都と大阪に加え、もう1つの拠点エリアとなっている。JR東海道本線との乗換駅である京阪石山駅から南へ、終点にあるのが石山寺駅。途中の唐橋前は、瀬田川に架かる旧東海道の名所「瀬田の唐橋」の最寄り駅だ。
駅から石山寺の山門までは徒歩で約10分の距離があるが、途中の参道や門前に店舗が並んでいて、それほど遠くは感じない。石山駅から山門前まで京阪バスを使う手もある。
石山寺は、747年に聖武天皇の勅願で良弁が創建したと伝わる古刹。良弁は東大寺の開山で、一説には幼いころ、母親が農作業をしている隙に鷲にさらわれ、奈良の二月堂まで連れてこられたところを助けられ僧として育ったという。
『源氏物語』ゆかりの古刹
大河ドラマで吉高由里子さんが演じる紫式部は、同寺で『源氏物語』の構想を練ったとされる。本堂には「源氏の間」と呼ぶ一角がある。内陣の硅灰石の上に座す本尊如意輪観世音菩薩は「日本で唯一の勅封秘仏」で、33年に1度、または天皇即位の翌年に開帳される。石山寺は花山法皇が再興したとされる西国三十三観音巡礼の第13番の札所でもある。
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