群馬テレビ前社長が大反論「あんな発言してない」 昨年末に解職「生き残る会社にしたかっただけ」

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――群馬テレビは10年間黒字が続いていて、倒産寸前というわけでもありません。急速に物事を進めすぎて現場の混乱を招いた、という反省はありませんか。

私が社長に就任する前は、ずっと赤字が続いていた。そんな中で黒字を維持するために私が何をしたか。社員に負担をかけるようなことは、いっさいしていない。

群馬テレビの業績推移

それまで20年以上使っていたエアコンを新しくして、電気も蛍光灯からLEDに交換した。さらに残業時間も減らした。これによって年間4500万円かかっていた電気代が、直近では年間1200万円にまで下がった。

生き残れる道を模索してきた

――経営環境が厳しくなる中で急激なコスト削減を進める一方、開局以来初の株主配当を出したことを“矛盾”と受け止める向きも社内にはあったようです。

本当はもっと早く配当を出したかった。創業から約50年で一度も配当を出していない。これは通常の経営ではない。株主も大事なステークホルダーなのだから、配当を出すのは当たり前のことだ。総額500万円程度で、それほど大きいわけでもない。

従業員についても、2022年の4月には群馬銀行に見劣りしていた初任給を16万5千円から22万円に上げた。当然、それ以上の社員の給与も上げている。労働時間が減っただけでなく、給与面でも良くなっている。

社員にはできる限り給与を払いたい。会社には社員が60人いて、関連会社も合わせると80人になる。3人家族だとすると240人だ。群馬テレビが潰れれば、この社員の家族を含めて生活が狂っちゃう。社長として絶対にそんなことはできない。

――群馬テレビをどんな会社にしたかったのでしょうか。

どんな状況になっても生き残っていける会社にしたかった。それだけだ。生き残る道は、社員の能力を引き上げるしかない。私の在職中に働きやすい環境は作れたと思っている。

会社が生き残れる道をみんなで模索してきた中で、今回のことが起こった。それが一番の悔いだ。自分としては10年間それなりにやってきたと思う。

髙岡 健太 東洋経済 記者

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たかおか けんた / Kenta Takaoka

宮崎県出身。九州大学経済学部卒。在学中にドイツ・ホーエンハイム大学に留学。エンタメ業界担当を経て、現在はM&Aや金融業界担当。MMTなどマクロ経済に関心。

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