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南シナ海で実力行使、高まる米中衝突の危機 米中双方が相手の主張を許さない

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  • 小原 凡司 笹川平和財団上席フェロー
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一方で中国は、「軍事警戒圏」という言葉を使用したことで、自ら緊張緩和の努力を台なしにしてしまった。

今年4月10日、米軍と中国軍との間にテレビ電話が正式に開通し、米統合参謀本部議長と中国総参謀長との会談が行われた。これに続き、同月29日には、米海軍作戦部長と中国海軍司令員とのテレビ電話会談があった。そこで中国海軍司令員は、南シナ海における埋め立てや施設の建設は、「航行や飛行の自由を脅かすものではなく、気象予報や海難救助など公共財提供能力向上のためだ」と述べた。さらに、米国およびその他の国・機関に対し、その共同利用まで持ちかけたのだ。

ただ、南シナ海を「軍事警戒圏」としたことで、人工島に建設中の施設が軍事目的のもので、航行や飛行の自由を制限する意図があることを、自ら宣言してしまった。

強硬姿勢に転じた米国

米軍はといえば、警告を意に介さず、行動を継続するだろう。米国はこれまで中国の「力による現状変更」に、強い姿勢で応じなかったことが誤りだったと認識している。その間に、中国は南シナ海で8平方キロメートルにも及ぶ埋め立てを行い、軍事利用可能な施設を建設してしまった。

米国は、実力行使しなければ、中国の意図をくじくことはできないと理解した。ここでいう「実力行使」とは、フィリピンやベトナムとともに、中国に占領されたサンゴ礁を奪還することではない。中国の「南シナ海全域に主権が及ぶ」という主張を否定するための行動を取ることである。

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