九州地盤の鳥越製粉にアクティビストが株主提案 2024年の照準は「スタンダード上場の地方企業」

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東証の集計によれば、スタンダード企業で開示したのは191社と、全体の12%に過ぎない。「検討中」を含めても19%だ。「スタンダード市場にはPBR1倍割れの企業が多く、中でも地方企業は惨憺たる状況。にもかかわらず、プライム企業と比べて目立たないことをいいことに、株主への関心が薄いようだ」と投資ファンド関係者は指摘する。

今回、株主提案を受けた鳥越製粉もスタンダード上場の地方企業で、PBRは1倍割れ。2023年12月に発表した2024〜2026年の中期経営計画の基本方針には、「時代の変化に対応した新しい価値を創出する」といったことが書かれている。

だが、株主還元については「継続的な安定配当を基本とし、配当は業績推移、当社を取り巻く経営環境、将来の事業展開等を総合的に勘案して実施する。配当性向は40%以上を目標とする」と書かれている程度。直近3年間の配当性向は62%、39%、38%なので、目標は現状とほぼ同水準だ。

地銀への株主提案も検討されている

別の投資ファンド関係者は、「地銀はPBRが軒並み低い。東証の要請に応じて取り組みこそ開示しているが、その実効性には疑問符が付くところも多い」と指摘。「すでに一部の地銀の株式を取得しており、経営陣との対話次第では株主提案を検討していく」と明かす。

2023年6月の株主総会で株主提案を受けた企業は90社で過去最高を記録した。2024年はアクティビストがスタンダード上場の地方企業などへ対象企業の網を広げており、昨年を上回る株主提案が行われる可能性が高そうだ。

田島 靖久 東洋経済 記者

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たじま やすひさ / Yasuhisa Tajima

週刊東洋経済副編集長。大学卒業後、放送局に入社。記者として事件取材を担当後、出版社に入社。経済誌で流通、商社、銀行、不動産などを担当する傍ら特集制作に携わる。2020年11月に東洋経済新報社に入社、週刊東洋経済副編集長、報道部長を経て23年4月から現職。

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