九州地盤の鳥越製粉にアクティビストが株主提案 2024年の照準は「スタンダード上場の地方企業」

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東証もPBRの低い企業が欧米に比べて多いことを問題視しており、上場企業に対して改善に向けた取り組みを促している。

2023年3月、東証はプライム市場とスタンダード市場の全上場会社に対し、資本コストや株価を意識した経営に取り組むことを要請。株価水準の引き上げに向けた具体策の実行と開示を求めた。

中でもPBRの1倍割れについては、「資本コストを上回る資本収益性を達成できていない、あるいは成長性が投資者から十分に評価されていないことが示唆される1つの目安」として、改善に向けた方針や具体的な目標の開示を強く求めている。

プライム企業の開示率は40%にとどまる

だが、取り組みの進捗状況は芳しくない。東証は、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応をコーポレートガバナンス報告書で開示した企業のリストを1月15日に公表した。

それによれば2023年末までにプライム企業で開示があったのは660社で、全体の40%に過ぎなかった。もちろんPBRが高い企業もあるため一概に開示率が低いとも言い難いが、PBR0.5倍未満の企業でも49%、0.5倍以上1倍未満の企業でも51%と半分程度しか開示しておらず、まだ不十分と言える。

「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」についての東証のまとめによればプライム企業の「開示済み」は660社にとどまる(東証のホームページより)

投資ファンド関係者は、「プライム企業はまだマシなほう。スタンダード企業に関してはさらにひどい状況だ」と嘆く。

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