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FAXだけではない「昭和すぎる学校」4つの損、文科省が道半ばの校務DXを支援 「校務DX化チェックリスト自己点検結果」を分析

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  • 妹尾 昌俊 一般社団法人ライフ&ワーク代表理事、OCC教育テック大学院大学 教授
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さらに公立では、教職員も教育委員会職員も数年で人事異動が来ることも、双方にとって改善への阻害要因となっている。

要するに、多くの学校と教育委員会等にとって、校務のデジタル化や改善というのは、優先度が低いものだったわけだ。あるいは見直すほうが面倒くさい、労力がかかると思われていた。だが、そうしているうちに、学校のICT活用は、企業などと比較して周回遅れとなってしまった。

昭和なままのやり方を続ける「昭和99年の学校」

今年2024年は「昭和99年」とも呼ばれている。昭和という元号が続いていたら99年になるということだが、昭和なままのやり方を続け、アップデートできていない学校はまだまだ少なくない。日本中のすべての学校が古臭いままと言いたいわけではないけれど。

今回の調査では、自治体別の状況なども公表されていて、自治体間、学校間で開きがあることがよくわかる。その背景・要因を分析して、対策を考えていく必要はあるが、「昭和99年」のままの学校では何がマズイのか、共有しておきたい。この認識や危機感が、学校の情報化、DXの優先度を上げていくうえでもポイントとなるからだ。4つに整理する。

第1に、業務の効率や生産性が犠牲になっている。例えば、ファックスでのやりとりでは、ほかのプリントにまぎれて見落としがある。受信したか確認するため別途電話する。自治体のセキュリティ対策が厳しすぎて、スムーズにネットやメーラーが起動しないし、添付ファイルを送るのに何重も手間がかかる。現金集金や紙ベースの手続きを残して、学校事務職員や教頭らの時間を奪い続ける。

こうしたことを続けるのは、生産性向上の足をひっぱっているのだという認識を、教育委員会や校長は持ってもらいたい。

教育長ら教育委員会の幹部が「学校の働き方改革では、教員の意識改革が必要です」と述べるシーンに、私はよく出くわすが、意識改革と具体的な改善に向けた取り組みが必要なのは、教育委員会側もだ。

第2に、ICT化の遅れは、授業や児童生徒のケアにマイナスだ。校務で便利さを実感できない教員が、授業で積極的にICTを活用するようにはなりにくい。また、児童生徒や家庭に関わるさまざまな情報をデータベースにしている自治体では、気になる子への声掛けなどに活用している。教員の経験と勘に頼るだけでは、ノーマークな子どもが生じかねない。

第3に、採用、教職員人気への影響がある。最先端で、仕事を通じて成長できる職場で働きたいという希望をもつ若者からは、学校は選ばれなくなりつつあるのではないか。

第4に、保護者の信頼を落としている。保護者の学歴は上がっているし、共働き世帯も増えている。自分の仕事ではクラウドサービスなどをバンバン使っている保護者もいるし、みんなスマホを持っていて、便利なアプリに慣れている。なのに、学校はどうしていつまでも変わらないのか、変わろうとしないのか。入学後の書類や欠席連絡などはちょっとした手間にすぎないが、保護者のストレスと不信感を高めるのは、もったいない。

以上4つの影響を考えながら、今回の調査結果や自分の地域・学校の状況を振り返ってほしい。さっさとラクできることはしないと、もったいない。

(注記のない写真: jat306 / PIXTA)

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