食道がん「のどの違和感」が出る前に見つける方法 耳鼻科で異常なしの場合、次の行動が重要に

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胃カメラには鼻から入れる経鼻と、口から入れる経口があり、いずれも食道を通って胃に到達する。つまり、食道も胃がん検診のついでに、診てもらうことが可能だ。

「しかも今は内視鏡診断の技術も進んで、食道がんを早期で見つけられるNBI(Narrow Band Imaging)という特殊光を用いた検査が普及しています。がんになる前の『前がん病変』でも見つけられます」(押川医師)

胃がん検診で食道を診てもらう際にも「重大なポイントがある」と押川医師。それは、検診時に「食道も『念入りに』診てください」と医師に伝えることだ。特に「念入り」という言葉は必ず伝えたほうがよいとのこと。

胃カメラを呑む目的は、あくまでも胃がんのチェックにある。医師の意識が食道がんに向いていなければ、異常を見すごしてしまうこともありえる。

また、同じ胃カメラでも胃がんを見つける技術と、食道がんを見つける技術は少し違う。押川医師によると、特殊な方法を用いなければ早期がんが見つけにくいこともあり、食道がんのほうが難易度は高い。

したがって、受診者が自らお願いしなければ、食道はさっと見て終わり、ですまされてしまう可能性がある。

50歳以上、お酒やタバコを嗜む人は要注意

なかでも食道を「念入りに診てもらったほうがいい」のは、食道がんのリスクが高い人、具体的には、50歳以上の男性だ。

がんは細胞の遺伝子変異が原因で起こるが、食道がんも例外ではない。実際、加齢によって食道の粘膜の細胞に遺伝子変異が生じていることも確かめられている。

若くても、お酒をよく飲む人、熱い飲み物をよく飲む人、タバコを吸う人は気をつけたほうがいいとのこと。これらの刺激が加齢による遺伝子変異に上乗せされ、がんのリスクを高めてしまうからだ。

特に飲酒については、「ウイスキーなどの蒸留酒を、ロックやストレートで飲む人は要注意」(押川医師)という。チェイサーで水を飲んでいたとしても、肝臓などほかの臓器へのダメージは減らせるが、食道への刺激回避に関しては意味をなさない。

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