中越パルプ工業、「夢の新素材」を開発強化する訳 「セルロースナノファイバー」で農業領域を開拓
国内の製紙会社を取り巻く経営環境は厳しい。印刷・新聞用紙や衛生用紙、包装用紙など、紙全体の国内生産量は、2012年の1506万トンから2022年の1127万トンへと大きく減少している。
デジタル化やペーパーレス化の進展により紙需要が減り続けていることに加えて、コロナ禍によるイベント関連や販促物の印刷量減少も追い打ちをかけた。
こうした中、製紙各社にとって、紙やパルプの生産に代わる新たな収益源の確保は喫緊の課題となっている。
環境負荷が少ない、軽くて高強度の新素材
国内の紙・パルプ製造で業界7位(2022年度売上高)の中越パルプ工業(本社:富山県高岡市)は、木質由来の新素材であるセルロースナノファイバー(CNF)に着目し、その製造や販売を強化している。
CNFとは、木の主成分であるセルロースをナノ(1ミリの100万分の1)単位にまで、細かく解きほぐした繊維(ファイバー)のこと。鉄鋼の1/5の軽さで、鉄鋼の5倍以上の強度を持つ「夢の新素材」と言われる。
植物由来であるため環境負荷が少ない、持続可能な資源としても注目を集めている。
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