小さな高級車「日産オーラ」を買っている人物像 購入者分析でわかったノートと異なる特殊性

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こちらはオーラを購入した人はオーラについて、フィットを購入した人はフィットについてのイメージをそれぞれ回答した結果である。オーラは、他の3車種より複数の項目で高いスコアを得た。

1つ目が「先進的」「都会的」「おしゃれ」といった、スマートさを表現するような項目。2つ目は、プレミアムコンパクトを表す「高級」。そして3つ目が、「高性能・走りのよい」「運転を楽しめる」という走りの関する部分だ。

BOSEパーソナルプラスサウンドシステムなどプレミアムな装備も満載(写真:日産自動車)
BOSEパーソナルプラスサウンドシステムなどプレミアムな装備も満載(写真:日産自動車)

一方、「実用的」「カジュアル」といった点のスコアは低く、ノートと明確な違いが出ている。これらのことから、発売から約2年の間で、“ユーザーの抱くイメージ”がしっかり定着していることがわかる。

またオーラでは、「購入時の想定用途」の質問に対して「一人でのドライブ・旅行」「運転すること自体を楽しむ」のスコアが高かったことも特徴の1つであろう。反対に「家族の送り迎え」は、他の3車種より低かった。このあたりからも、オーラが静粛性や快適性に優れた室内空間で走りを楽しむ人に求められていることがわかる。

「小さな高級車」は日本に合っている

日本の住宅事情や道路事情を考えると、大きなクルマは使いづらい。でも、上質なものがほしい――。

オーラの購入者を分析していくと、そんなユーザーは少なくないことが浮かび上がる。

また、「家族の送り迎え」を用途としてあげた人が少ないオーラは、子育てを終えた世代や夫婦2人世帯など、比較的経済的な余裕がある層が「小さな高級車」を求めるのはイメージしやすい。

レクサスからも「LBX」が2023年11月に発表(発売は12月)されているように、今後の日本市場においてプレミアムコンパクトにポジションを取る車種が増えていく可能性はある。

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日産は、日産車を乗り継ぐユーザーが多いメーカーであったが、オーラによってこれまで接点のなかった新たな顧客層を獲得できつつあるといえるだろう。

BEVの「サクラ」も、軽自動車とは思えない上質な走りに定評がある。大型SUVだけでなく、コンパクトカーや軽自動車においてもプレミアムさを追求していくことで、日産は他の国産メーカーとの違いを出していくことができるかもしれない。

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三浦 太郎 インテージ シニア・リサーチャー

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みうら たろう / Taro Miura

北海道大学大学院理学院卒業後、インテージ入社。自動車業界におけるマーケティング課題の解決を専門とし、国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画~運用全般に従事。

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